アンティーク時計に修理・オーバーホールの必要性
オーバーホールとは
オーバーホールとは、時計を部品単位まで分解して点検・清掃を行い、新品同様の状態まで回復させる作業のことです。別名「分解清掃」とも呼ばれています。
オーバーホールを行うことは、時計を長く使い続けるために必要不可欠です。
以下で、オーバーホールの必要性や効果について解説していきます。
アンティーク時計をオーバーホールしないと起こるトラブル
アンティーク時計のメンテナンスを怠ると様々なトラブルに繋がります。ここではその一例をご紹介しましょう。
- 油切れ
- パーツの磨耗や劣化
- パーツの錆
- パッキンやガラス密着劣化
- 浸水
- 経年劣化
- 針取れ、針ズレ
故障原因がパーツの磨耗や劣化、破損の場合、大幅な調整や部品交換、部品の新規作成が必要になります。油切れが原因である場合や、内部にホコリやゴミが侵入し、歯車の動きを止めているケースでは、単純なオーバーホール作業で正常に戻ります。
いずれにしても、アンティーク時計や古い時計などが動かなくなった場合は、時計修理専門店などでオーバーホールを行い、原因を特定することをおすすめします。適切な対処を行うことで時計をよみがえらせることができます。
弊社(五十君商店)では、2年以上放置されたアンティークなどの古い時計についても、オーバーホール後の使用再開をおすすめしています。
長年動かない状態のまま放置すると、時計内部の潤滑油は劣化が進み、粘度が高くなります。さらに密閉性に疑問のある風防(ガラス)を使用している時計などでは、油が乾いて枯渇する場合もあります。このような状態で使用してしまうと、金属に大きなダメージを与えて故障を招く恐れがあります。
こういった事態を未然に防ぐために、アンティーク時計を使用する際は必ずオーバーホールを行ってから使用するようにしましょう。
修理後も、定期的にオーバーホールが必要な理由
アンティーク時計に限ったことではありませんが、時計の内部は大変複雑な仕組みによって構成されています。
しかし、歯車の磨耗や、部品の消耗は、外見から判断することができません。正常に動いているから問題ないと思うかもしれませんが、実は知らず知らずのうちに内部がダメージを受けている可能性があります。もちろん故障に気付いた段階で修理店に持ち込む選択もあります。
アンティークなどの古い時計の場合は、部品調整や部品交換などの修理費が高額になる可能性が高いことがあり、生産中止の部品の場合は部品を新規作成する必要があります。
部品交換に至る修理を事前に防ぐためにも定期的なオーバーホールを行うことをおすすめします。3~5年に1回程度の頻度で定期的に行うのが理想です。
アンティーク時計の修理・オーバーホールにかかる費用と流れ
アンティーク時計の修理・オーバーホールの費用
まず初めにオーバーホールにかかる費用の目安について、ご説明いたします。アンティーク時計の場合、弊社の料金の目安は、下記の通りとなります。
機械式時計 |
ロレックス | ¥44,000~ |
オメガ | ¥49,500~ |
セイコー | ¥26,400~ |
上記はあくまで一例ですが、特殊な時計や複雑な時計の場合、別途お見積もりが必要になります。
またオーバーホール費用は基本料金であり、別途部品交換料金などが加算されます。
アンティーク時計の修理・オーバーホールの流れ
続いて、修理やオーバーホールを依頼する際の具体的な流れについて弊社(五十君商店)を例に見ていきましょう。
修理・オーバーホールの依頼
お電話、もしくはホームページのお問い合わせフォームを通じて依頼。または、実店舗(御徒町店、府中店、新川崎店、本川越店、大阪四ツ橋店)に持ち込むこともできます。
(※オーバーホールをご希望の方には「無料梱包キット」をご用意)
無料お見積もり
2〜3週間程度で、お見積もり結果と共に納期をご連絡。ご進行・中止のご連絡を確認してから、作業に入ります。
作業
オーバーホール・修理にかかる期間は、最短でも約2週間かかります。アンティーク時計の場合は最低でも3週間、難易度の高い修理の場合は、5週間以上お時間をいただく場合もあります。また、部品の新規作成が必要なケースでは、1カ月かかることもあります
修理完了・ご配送
修理が終わり次第、メールにて発送のご連絡。
時計の修理・オーバーホールご注文について詳しくは以下をご覧ください。
>時計修理のご注文までの流れ
アンティーク時計などの場合、すでに部品が製造中止となっている可能性もあります。しかし、その場合も、弊社では部品を新規作成することが可能であるため、安心してお任せください。まずは一度ご相談ください。
よくある質問
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弊社は業者様からの難しい修理も多数請け負っており、様々な分野に特化した技師がおります。 工具や設備も海外から最新のものを仕入れております。
他で修理できない時計でも十分修理できる可能性がありますので、ご安心ください。
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思い出の詰まった大切なお時計をぜひ一度拝見させてください。お時計の状態や修正が必要な部品を熟練の技師が細部まで確認をした上で、最善のお見積りをご提案させていただきます。
オメガやロレックスなど有名ブランド時計の修理店選びのポイント
修理店選びのポイントは、大きく分けて2点あります。
- 部品を調達・制作できる環境が整っているかブランドもののアンティーク時計などの修理をする場合、部品交換や部品の新規作成が必要になるケースが多くあります。
オメガやロレックスなどの時計メーカーでは、部品の保有期間を決めており、製造終了後7〜15年前後とメーカーによって保有期間が異なります。
アンティーク時計など、部品の保有期間が過ぎている時計のオーバーホールや修理は、メーカーでは受け付けていないため、時計修理専門店への依頼をおすすめしています。
- 高い技術力・豊富な経験があるか中には、比較的リーズナブルな金額で請け負っている時計修理店がありますが、アンティーク時計などの場合、現代の時計以上にオーバーホールや修理に関するより高い技術や知識が求められます。そのため、お店を選ぶ際にも、技術や知識、経験、そして設備の有無を見極めなければなりません。
いくら安価な見積もりであっても、最終的に修理が不可能と言われたり、望むような仕上がりにならなかったりした場合、大切な時計にダメージを与えてしまう可能性も否定できません。大切な時計を預けるからこそ、経験豊富かつ、アンティークの時計の扱いに慣れているお店を選んだ方がよいでしょう。
弊社は、月間修理数1万本、日本有数の修理数を誇る、創業90年以上の歴史ある老舗時計修理専門店です。弊社は元々が時計部品卸商のため、必要な部品を世界各国から調達することができるほか、すでに廃盤となり部品調達が難しい場合も、一から部品を制作するための最新設備も取り揃えています。
他の店で断られた時計の修理経験や、部品の調達が難しい時計の対応経験もあります。
ぜひ一度お気軽にご相談ください。
ブランド時計のフェイクでも修理できる?
いただきものの時計や、形見の時計の場合、本物か、フェイクかといった判断がつきにくいケースも存在します。仮にフェイク品、コピー商品(偽物)であった場合、修理を依頼することはできるのでしょうか。
コピー商品の扱いに関しては、「一般社団法人 日本時計輸入協会」では次のように述べています。
「ニセモノ時計の修理や電池交換、改造は、ニセモノ時計の販売を助長することになり、また、作業の内容によっては修理などの行為が商標法に抵触し刑事処罰の対象となることもある」
(一般社団法人 日本時計輸入協会 「偽物・レプリカについて」より)
上記の理由により、一般的にコピー商品の修理は受け付けてもらえません。修理だけでなく、電池交換の受け付けを拒否されます。仮に正規購入品であっても、改造を施すことにより、コピー商品と同じ扱いを受けるケースもあるため、注意が必要です。
もし、今お持ちのブランド時計がコピー商品かどうか判断できない場合は、一度修理の見積もりを出してみるのも一つの手といえるでしょう。弊社では、コピー商品と判断した時計に関しましては、送料着払いの上、送り返す手続きを取っていますので、本物か偽物かを判断することができます。
ブランド時計を購入する際には、信頼できるお店選びが大切です。本物の時計を購入した上で、定期的にオーバーホールを行い、末永く愛用し続けたいものですね。
アンティーク時計や古い時計の修理のポイント
それでは、最後にアンティーク時計や古い時計の修理とオーバーホールについて、もう一度ポイントを見ていきましょう。
- アンティーク時計などの故障原因としては、油切れや部品の損耗、サビなどが考えられる
- アンティーク時計などの修理をする際には、オーバーホールを行い、不具合の原因を特定する。適切な対処を行うことでよみがえる
- オーバーホールにかかる期間はアンティーク時計の場合は最低でも3週間、部品の新規作成が必要な場合は1カ月かかることも
- 時計はブランドごとに設計思想や構造が異なるため、熟知しているプロに修理を依頼するべき
- 本物を大切に使い続けるためには、オーバーホールを定期的に行うことが重要
他店で断られてしまったアンティーク時計や古い時計でも、弊社にお任せください。
弊社には、創業90年以上の歴史と、日本屈指の月間修理数1万以上の実績があります。あなたの大切な腕時計を末永く愛用できるよう、メンテナンスいたします。