五十君商店
「全く何も知らんで入った人間でもやっていける」
そんな場所にしたいと思って、店づくりを心がけてきました。

廣野 亮

hirono ryo
大阪四ツ橋店(西心斎橋)
2009年入社

ゼロ知識で始まった、セカンドキャリア。31歳、不安だらけのスタートでした

僕が五十君商店に入社したのは31歳の時。お世話になった先輩からの紹介で入社しました。もともと新卒では大手アパレルにいました。洋服の販売員から時計修理の会社に転職したわけです。全く異なる業種業界で、しかも完成品を売る販売業とは違って、修理業は壊れているものを扱いますよね。いわばマイナスのものをプラスに戻す作業です。しかも当時僕は時計の知識はゼロの素人同然。修理はおろか、ブランド名すらもろくに読めない状態でした。
そんな状態で、「日本一忙しい」と言われる大阪梅田の量販店にある修理窓口に配属されました。量販店ではとくに電池交換の依頼が多いのですが、電池交換が必要な時計は、実は電池以外のパーツも劣化していることが少なくありません。だから電池を取り替えれば一時的に動いても、その後数日で止まってしまうことがあるんです。でもお客様はそんなことはご存知ありませんから、「電池替えたばかりなのに止まるなんておかしい!」とか「お前のところに預けたら壊された!」となってしまうわけです。当時僕はそんなこと知りませんから、そう叱られたら焦りますよね。受付時に説明が足りていなかったことで僕宛てのクレームが何本も入ったこともありました。

自分より知識が豊富な方への接客に悩む日々 支えてくれたのは先輩たちでした

また、量販店は説明の時間もとても短く、シビアです。1日に何十本も修理の依頼が飛び込んできますから、お一人お一人にかけられる時間は限られます。その短い時間にぎゅっと詰め込んで必要なことをお伝えしなくてはなりません。お客様は時計が好きな方ばかりですから、僕なんかより知識がある。その方たちに素人同然の僕が説明しなくてはならない。反対にお客様から教えてもらうことばかりでした。叱られることも数知れず、毎日凹んでいましたよ!
でもそうやって壁にぶつかった時に支えてくれたのは先輩たちでした。フレンドリーに接してくれて本当に救われましたね。それに僕には意地もありました。すでにここで頑張っている先輩からの紹介で入社しましたから、ちょっとはしがみついてやらなければ! って。
その甲斐もあって、僕は入社から約1年半で副店長になりました。量販店では、なにかクレームが発生するとまず売り場の総責任者に知らされてしまうんです。入社したばかりの僕はクレームが多かったこともあり、責任者から名前も顔も覚えられていました。正直、副店長になってからも「こいつが副店長?」と舐められていたと思います。だから僕は、「副店長になったからには絶対にクレームは出さない」という決意で取り組みました。実際に副店長になってからは大きなクレームは出していません。

「教えるのはその場、その時間に」を心がけた店長時代を経て、 いよいよ新規事業を始めました

量販店で副店長を約1年半勤めたのち店長になり、その後店長を約6年間勤めました。店長になってから心がけたのはなるべく全てのスタッフと直接会話する時間を持つということでした。量販店にある修理窓口は、大店の量販店に合わせてお店を開けるため、営業時間が長いんです。だからスタッフの勤務時間もバラバラ、会話するチャンスのないスタッフが出てきてしまいます。だから僕は自分のシフトでなくても長く残ったりして、なるべく全てのスタッフと一緒にいる時間をとりました。何かがあったらその場ですぐに教えてあげないとわかりませんからね。
そして、店と人がひとつ完成した、もう僕のやれることはないと実感した入社10年目、満を持して新しいことを始めました。直営店の大阪四ツ橋店(西心斎橋)と、楽天店「Youマルシェ」の運営業務です。実店舗とWeb店舗の両立はとても忙しいですが、やりがいがあります。とくに「Youマルシェ」は、Web店舗ですが実店舗さながらのお店作りや接客スキルが問われます。メールでの問い合わせをたくさんいただきますし、お店作りに物語性とか「このお店から買いたい」と思わせるメッセージをこめる必要があるんです。それを必死で考えると、だんだん売り上げがついてくる。これが本当に楽しいんです。
お店作りを考えるためいろんな勉強会にも参加させてもらうようにもなりました。そして会を通じて、楽天でお店を構えている人たちとの出会いもありました。業種や年齢を超えて勉強会に参加したり情報交換をしたり、一緒に頑張る仲間は、より様々なアイデアを生むきっかけを与えてくれます。
そしてなにより、僕が「やってみたい」と言ったことに対して、五十君商店の上層部がチャレンジさせてくれるんです。そんなふうに、今、やったらやっただけ、努力したら努力しただけ、結果がついてきています。それが面白いし気持ちいい。今、ものすごく楽しいです。

僕は人に支えられてここまで来た
だから、誰でもやっていける場所を作りたいと思った

僕は一人でここまで来たわけではありません。もちろんやる気をもって続けてきましたが、やる気がくじけそうになるときもありましたから……気持ちでは回らない、状況が好転しない時ってあるでしょう? そんな時僕は同じ立場で働く先輩たちに本当に助けてもらいました。
だから僕自身も、後輩にそういう環境をつくってあげようと頑張ってきたつもりです。量販店での店長だった頃を振り返ると、僕がもっとケアしてあげていれば、僕にもっとキャパがあったら……と後悔する後輩もいますよ。僕も完璧な人間じゃないんでね。
でも「全く何も知らんで入った人間でもやっていける」そんな場所にしたいと思って、店づくりを心がけてきました。だって僕自身が何もわからないとこから入った人間でしたから。そんな僕だからできることはないか? と考えて取り組んできました。
知識ゼロだった僕もここまで成長させてもらえました。時計修理ってどんなことをするんだろう? 今はそう不安に思っていても大丈夫。横のつながりをたくさん持って、前向きに取り組めば、必ず成長があります。

ある日のスケジュール

メール確認・楽天市場「Youマルシェ」売上確認もこのタイミングに出社、四ツ橋店舗開店準備

08:30

接客応対や、腕時計の電池交換などに加え、楽天市場「Youマルシェ」の運営も同時に! 「Youマルシェ」の店づくりを考えながら実店舗のスタッフをフォロー四ツ橋店オープン

10:00

今度おいしいお店、教えちゃいますよ!昼食

並行して「Youマルシェ」出荷作業や各量販店からの相談にも対応します四ツ橋店でのお客様応対

13:00
19:00退社

みなさんへメッセージ

時計には、その人の思い出や、お金に代えられない価値がつまっています。お客様が時計にこめた物語や、その思いに寄り添える人。
そんな人なら絶対にやっていけます。ぜひ頑張って、就職活動を乗り越えてください。

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