長年愛用していたクォーツ時計が動かなくなり、電池交換してもすぐ止まってしまったり、専門店に修理に出したが「修理不可」と言われたなどの経験はありませんか?今回はクォーツ時計の特徴と寿命、故障の原因、メンテナンス方法について詳しくご紹介していきましょう。正しい内容を知ることであなたの大事な時計を長く大切に愛用することができます。
2018.09.25
【クォーツ時計の修理・オーバーホール】寿命?電池交換しても動かない原因や修理料金の相場を解説
クォーツ時計の特徴と寿命について
クォーツ時計の特徴と寿命について
クォーツとは、英語で「水晶」のこと。水晶は電圧をかけると振動をする特性があり、クォーツ時計はこれを利用して、時計に内蔵されている電池の電圧を利用して針が動いています。
機械式時計は1日で何秒も時刻がずれ、ゼンマイを巻き上げないと時計が止まってしまいますが、クォーツ時計は水晶の振動の精度は高く、1カ月間に15~30秒しかずれず、機械式に比べて正確で安価です。
一般的に、クォーツ時計の寿命は機械式時計に比べて短いといわれています。クォーツ時計に組み込まれている電子回路の寿命が、平均20~30年とされているためです。修理に出すことで電子回路を交換してもらえることもありますが、すべてのクォーツ時計に替えの部品が用意されておらず、交換部品が廃番になると修理不可能になる場合もあります。(ただし、高級クラスのクォーツ時計の場合は、長期の修理対応をうたっているため、補修用品がなくなる心配はありません)
クォーツ時計が動かなくなったときの理由と対処法を紹介
クォーツ時計が止まる原因
1. 歯車のトラブル
正確に時を刻み続けられるのが、クォーツ時計の持つ大きな魅力の1つです。長年使っていると、さまざまな原因で止まってしまうことがあります。ここでは、主に電池切れ以外で動かなくなる原因を5つご紹介します。
まず、「歯車のトラブル」です。クォーツ時計の内部には、歯車が存在しています。この歯車にホコリがついてしまったり、錆で歯がかみ合わなかったりした場合、歯車がうまく動かなくなって止まってしまうことがあるのです。また、何らかの原因で内部に生じた微量の金属片が歯車の動きを阻害し、時計を動かなくさせてしまう可能性もあります。
2. 潤滑油のトラブル
時計の部品同士をスムーズに動かすために必要なものが、潤滑油です。長年使用しているうちに油が切れたり、固まったりすることで、時計の動きを妨げてしまいます。
3. 針のトラブル
時を刻み続ける時計の中で、最も大切な部分の「針」。
衝撃などによって文字盤の針がずれたり、他の部分に引っかかって動かなくなったりしてしまうことがあります。このような症状が出た場合は、早急な対応が必要です。このまま放置してしまうと、クォーツ時計自体を痛める原因になってしまいかねません。
4. 電池のトラブル
ある程度クォーツ時計を使っていると電池が切れてしまいます。
電池交換をしないままおいておくと、針が動かなくなるほか、電池が漏液していた場合、電池の中にあるアルカリ液が時計の回路に流れこむため、大きな故障の原因となります。
5. 回路不良や電子部品(コイル)のトラブル
回路や電子部品のトラブルは、時計の異常に直結します。回路や電子部品は「特に何もしていない」という状態であっても自然に切れてしまったり、錆が浮いてしまったり、あるいは劣化することもあります。そのため、トラブルを完全に防ぐことは極めて難しいものです。
電子回路の場合、壊れてしまうと「修理」をすることができません。そのため、「回路交換」することで対処します。
針のように外側から見えるものはもちろん、歯車や電池など、クォーツ時計はさまざまな部品によって動いています。長く使い続けるためには、こうした部品が正常に機能するように定期的な点検が必要です。
クォーツ時計が止まる原因5つの具体的な対処法としては、やはり時計専門店での定期的なオーバーホールと考えられます。そしてトラブルが起きた場合には、修理や交換といった正しい対処を行いましょう。
>オーバーホールについて詳しく知りたい方はこちら
>修理内容・料金についての詳しい情報はこちら
>お手元の時計の症状から選ぶ「時計修理・対処方法」についてはこちら
定期的なオーバーホールが大事なクォーツ時計の寿命を延ばす
クォーツ時計を長く使っていきたいのであれば、定期的なメンテナンスがおすすめです。
完全に故障する前ならば、オーバーホールでトラブルを解消できることが多いでしょう。また、オーバーホール自体が「故障の予防」にもなります。特に2年以上使っていない時計を使う場合は、事前にオーバーホールをすることを強くおすすめします。なぜなら2年以上使っていないクォーツ時計の場合、油の劣化や固着などが起きている可能性が高く、このまま動かすとパーツを傷めてしまう可能性があるからです。
クォーツ時計は比較的安価なものも出回っています。しかし、1つのクォーツ時計を長く使い続けたいと考えるのであれば、定期的なメンテナンスが大切です。しばらく使っていなかったのであれば、時計のオーバーホールが必要だといえるでしょう。
コラム:携帯電話のスピーカーなどの磁気がクォーツ時計に与える影響について
便利なクォーツ時計ですが、実は「磁気」を嫌っているということはあまり広くは知られていません。アナログ式のクォーツ時計は、中に磁石が使われています。この磁石は針を動かすモーターに使われているのですが、これが磁気の影響を受けてしまう可能性があるのです。
「磁気」というと、磁石などを想像してしまう方が多いのではないでしょうか。しかし実際には、携帯電話のスピーカーや磁石で閉じるタイプのハンドバッグ、IHヒーター、携帯ラジオ、さらには交流電気カミソリなどもリスク要因となり得ます。
例えば「磁石式のハンドバッグに携帯電話とクォーツ時計を入れていた」などは、日常でも十分にあり得るシチュエーションですが、知らないうちに時計を磁気にさらしてしまうため、特に注意が必要です。時計の故障を防ぐには、必ず磁気を発するアイテムから離して保管するようにしてください。
なお、このときに問題になるのが、「では、具体的にどれくらい離しておけばよいのか」ということです。磁気の大きさは目には見えませんから、当然このような疑問が浮かんでくるでしょう。実際のところ、磁力源と時計を離す距離は5~6cm程度で構いません。それほど広い距離ではありませんから、自分が意識をすればそれほど難しくはないでしょう。
また、「磁気によって時計の表示がおかしくなったかもしれない」と思う場合でも、故障の原因は断言できません。そのため、修理方法もはっきり見極めることはなかなか難しいでしょう。自分で無理に直そうとせず、弊社(五十君商店)のように信頼できる時計修理専門店の扉を叩いてください。
現在、取り扱いの修理数が月間8,000~10,000本である弊社は、時計業界屈指の実績と信頼度を持っており、各種修理に対応することが可能です。直接この目で原因を確かめ、適切な修理を行うことができます。
五十君商店では、時計の種類ごとに適した収納ボックスを多数扱っています。
腕時計の正しい保管・収納方法やおすすめグッズのご紹介は下記のコラムをご参照ください。
>腕時計の保管・収納方法は?おすすめのワインディングマシーンや収納ケースなどをご紹介
>ワインディングマシーン人気のおすすめ17選を、実績ある時計修理のプロが紹介
>おすすめの腕時計ケース・コレクションボックスをおしゃれ・持ち運び可能・大容量など種類別に紹介
クォーツ時計にはプロによる定期的なメンテナンスが必要
クォーツ時計は、日本のセイコーが1960年代に打ち出した時計の種類です。現在、時計市場の97%はクォーツ時計が占めていると言われており、オメガやロレックスをはじめとした世界的に有名な時計ブランドもこれを作っています。また、数多くのメーカーから打ち出されているものでもありますが、料金は比較的安価であるため、誰でも購入しやすいのが特徴です。
正確無比に時を刻み続けることができるのは、クォーツ時計の持つ大きな魅力といえるでしょう。ただ、その寿命について「他の時計に比べると短い」という点は、懸念材料かもしれません。
また、クォーツ時計は故障の原因もさまざまです。磁気が理由のときもありますが、回路の不調や電池切れなどがきっかけになることもあります。時計修理専門店に持参して正しい診断を受け、適切な処置で直してもらってください。原因が分からず適当に自分で修理しようとすれば、取り返しのつかないことになりかねません。クォーツ時計を長く使うのであれば、トラブル要因となりうるところから遠ざけ、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
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